設計実績
【店舗新築】雑貨&カフェ kinoca
きっかけは、木と灯り
飯能市を本拠地とし、森づくり・山づくり、樹木伐採を請け負う素材生産者(きこり)ご夫婦に、NPO法人西川・森の市場がご縁で知り合いました。
女性の設計士にお願いしたい、というお話でお会いしたところ、お互いに灯りを手づくりしているという共通点があり、意気投合しました。
とことん、西川材にこだわりたい
飯能市を代表とする西川林業地のスギ、ヒノキである西川材の魅力を伝える発信基地をつくりたい。店舗では、西川材でつくった雑貨を展示販売し、そこに来るお客様にくつろいでいただけるスペースとしてカフェを併設したい、というお考えでした。
恵まれたロケーション
敷地は、埼玉県飯能市の山林に囲まれた東吾野、国道299沿いに流れる高麗川と虎秀川が交差する場所に位置します。
東側の山を背景に、西側に道路に向かって開けた口ケーションを活かし、南北に長い建物として計画しました。入口の配置は、人を招き入れるゾーニングとなっています。
木を使うことに、気を遣う
外部は木を極力見せない仕上とし、経年劣化に配慮しています。一方で、内部は天井を貼らず柱、梁の木組みが吹き抜け空間に露出した現し仕上とし、経年劣化を見守りながら訪れた客人に木で出来た空間を体感してもらうようにしています。
木を魅せる工夫
建物は「店舗エリア」と「飲食店エリア」の2つの平屋を組み合わせた構成となっています。「店舗エリア」はスギで構造体をつくり、加工は工場のプレカット。継手仕口は金物を見せないように工夫して使います。
対照的に「飲食店エリア」はヒノキで構造体をつくり、加工は棟梁の手刻み。梁は太鼓梁、渡りあごで木を格子状に組んでいます。現代的なつくり方と棟梁の木組みの技の両方を同時に見ることが出来る空間を実現しました。
新しい木の使い方
インテリアとしてのランプシェード、クロスにも西川材を使い木の新しい可能性を提案しています。
また「きのかんしゃさい」という木に触れるイベントや、同じ敷地内に小さなひのき小屋を建設するなど、ご夫婦の挑戦は周りの仲間のみなさんを巻き込みながら、新たな商品開発等の試みとして続いています。
所在地 | 埼玉県飯能市 | 業務内容 | 設計・工事監理業務 |
---|---|---|---|
用途 | 飲食店・店舗・事務所 | 建築面積 | 150.18m² |
工事種別 | 新築 | 延べ面積 | 132.49m² |
構造 | 木造 | 竣工年月 | 2015年12月 |
階数 | 平屋 | 施工 | 須田建築 |
Web | http://kinocaori.com/ | 設計協力 (構造) |
一級建築士事務所 DROP DESIGN 清水加陽子 |